ここは朔が支配人を務める劇場《閑古鳥の啼く朝に》のサロンです。上映案内から、日々のつれづれ事まで。 のんびりまったり更新中。renewal:07/05/02
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『テレヴィジョン・シティ』(長野まゆみ氏)、読み終わりました。
なんとういうか……力の抜ける思いです。
悲しい、淋しい、切ない、無力感……
そして、どうしようもなく美しい……
そんな思いが体の中を駆け巡ります。
この本は、本当にどうしてもどうしても大好きで、
読んだ後はなかなかその世界観から抜け出せません。
「どうして、どうして、」と、そんな言葉ばかりが頭の中をぐるぐる回ってます。
本当に、どうして……
何度読んでも、あの、ラストの迎え方が果たしていわゆる「幸せ」と呼べるものなのか、
わかりません。
それ以前に、あのラストが意味するモノが何なのか、朔には未だにわかりません。
ラストだけに関わらず、物語は様々な「謎」の上に成り立っていきます。
というもの、主人公のアナナスは、無自覚の記憶喪失者なんです。
それも、突然の意識の遮断の繰り返し。
そんな彼の視点で物語は進行するので、当然物語には不可解な部分が多く……
あえて、そんな部分に直接の答えは書かれていません。
何気ない会話や、情景描写から、その答えを可能な限り拾っていくのですが、
果たしてそれが「正しい」答えなのか、それはわかりません。
むしろ、読んだ人の数だけ解釈の数はあるのだと思います。
朔はアナナスとイーイーの関係に重点を置いて読むのですが、
人によっては、ビルディングの機能に重点を置いて読む人もいるかもしれませんし、
《生徒》とテレシネマの関係について関心を持って読む人もいるかもしれません。
とにかく、幻想の上に幻想を重ねるようにして進行していく中で、
それまで事実と受け止めていたことも、ある時にひっくり返り、
二転三転としていく中で、
イーイーが……
彼が本当に望んでいたこと、それが意味すること、
その真の意味を、朔は掴みきれずにいます。
あの言葉……
彼の望みが叶った時、それが何だというのでしょう?
朔には、その価値がわかりません。
あの言葉……
それでも、意味ははっきりとわからないにも関わらず、
それでも朔は、あの言葉に胸が鷲掴みにされたような苦しさを覚えるのです。
最後にイーイーがアナナスに宛てた、最初で最後の手紙。
最初の、呼びかけの部分だけでも、悲しくて悲しくて、どうしようもなくなります。
そして、イーイーが以前
「手紙に真実を書く必要はない」
と言っていたのを思い出し、
さらにさらに、どうしようもなくなるのです。
どうして、ここまで惹きつけられるのか、自分でもわかりません。
でも、海を見る度に、
崩壊の進むビルディングから碧い惑星を憧れ続けたアナナスのこと、
そしてイーイーのことを思い出すのです。
わからないことだらけの物語。
一見無駄にも思える、長い長いママやパパへの手紙、
微に入り細にわたる、ビルディングの描写。
しかし、それすら嘘かも――
何一つ自信を持って語ることはできない物語だけれど、
朔はこの小説が大好きです。
これからも、何度となく読み返すと思います。
そして、読む度に深い深いため息をつくと思います。
いつか、何かをつかめる日がくるのでしょうか。
誰か、この小説を読んだという方がいれば、ぜひ感想を聞かせて欲しいです。
あのラスト、どうなってゆくのでしょう……
ではでは。
なんとういうか……力の抜ける思いです。
悲しい、淋しい、切ない、無力感……
そして、どうしようもなく美しい……
そんな思いが体の中を駆け巡ります。
この本は、本当にどうしてもどうしても大好きで、
読んだ後はなかなかその世界観から抜け出せません。
「どうして、どうして、」と、そんな言葉ばかりが頭の中をぐるぐる回ってます。
本当に、どうして……
何度読んでも、あの、ラストの迎え方が果たしていわゆる「幸せ」と呼べるものなのか、
わかりません。
それ以前に、あのラストが意味するモノが何なのか、朔には未だにわかりません。
ラストだけに関わらず、物語は様々な「謎」の上に成り立っていきます。
というもの、主人公のアナナスは、無自覚の記憶喪失者なんです。
それも、突然の意識の遮断の繰り返し。
そんな彼の視点で物語は進行するので、当然物語には不可解な部分が多く……
あえて、そんな部分に直接の答えは書かれていません。
何気ない会話や、情景描写から、その答えを可能な限り拾っていくのですが、
果たしてそれが「正しい」答えなのか、それはわかりません。
むしろ、読んだ人の数だけ解釈の数はあるのだと思います。
朔はアナナスとイーイーの関係に重点を置いて読むのですが、
人によっては、ビルディングの機能に重点を置いて読む人もいるかもしれませんし、
《生徒》とテレシネマの関係について関心を持って読む人もいるかもしれません。
とにかく、幻想の上に幻想を重ねるようにして進行していく中で、
それまで事実と受け止めていたことも、ある時にひっくり返り、
二転三転としていく中で、
イーイーが……
彼が本当に望んでいたこと、それが意味すること、
その真の意味を、朔は掴みきれずにいます。
あの言葉……
彼の望みが叶った時、それが何だというのでしょう?
朔には、その価値がわかりません。
あの言葉……
それでも、意味ははっきりとわからないにも関わらず、
それでも朔は、あの言葉に胸が鷲掴みにされたような苦しさを覚えるのです。
最後にイーイーがアナナスに宛てた、最初で最後の手紙。
最初の、呼びかけの部分だけでも、悲しくて悲しくて、どうしようもなくなります。
そして、イーイーが以前
「手紙に真実を書く必要はない」
と言っていたのを思い出し、
さらにさらに、どうしようもなくなるのです。
どうして、ここまで惹きつけられるのか、自分でもわかりません。
でも、海を見る度に、
崩壊の進むビルディングから碧い惑星を憧れ続けたアナナスのこと、
そしてイーイーのことを思い出すのです。
わからないことだらけの物語。
一見無駄にも思える、長い長いママやパパへの手紙、
微に入り細にわたる、ビルディングの描写。
しかし、それすら嘘かも――
何一つ自信を持って語ることはできない物語だけれど、
朔はこの小説が大好きです。
これからも、何度となく読み返すと思います。
そして、読む度に深い深いため息をつくと思います。
いつか、何かをつかめる日がくるのでしょうか。
誰か、この小説を読んだという方がいれば、ぜひ感想を聞かせて欲しいです。
あのラスト、どうなってゆくのでしょう……
ではでは。
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