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ここは朔が支配人を務める劇場《閑古鳥の啼く朝に》のサロンです。上映案内から、日々のつれづれ事まで。          のんびりまったり更新中。renewal:07/05/02
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2007/1/31
2007.01.31 (Wed)
こんばんわ。

 またまた公演が不定期になってしまいました(^-^;)
 今朔はちょっとおもしろいこと&なるべく目を背けたいことにてんてこ舞いでして。
 はぁ。
 しばらく、不定期公演が続くと思われます。
 どうぞご了承下さいませ。

 面白いこと
・『黒い兄弟』読み終えました!
 読んでいたら、アニメのエピソードは全然思い出せないのに、
 なぜか主題歌とエンディング(一部)は甦りました(笑)
 一体朔の記憶力はどうなっているんだ。
「ははぁ、それで”♪Si,si,ciao”(エンディング)なわけね」(ジョルジョたちは、スイスの田舎からミラノに売り飛ばされた)とか、当時分からなかったことがようやく分かったり。
 それにしても、アルフレドの死は悲しいですね……。
 児童文学なせいか、それほど感情移入することなくあっさりと書かれてあるのが、逆に胸を締め付けます。
 たった半年(実は途中で逃げ出すから半年未満)の出稼ぎ?でも、13歳やそこらの子供たちにとっては辛く長い時間なんだろうなぁと思ったり。
 大人になれば、結構あっという間の時間なんですけどね、半年なんて。

 ところで、舞台は1838年~です。
 ちょっと世界史の教科書を見てみたら、1837年に英国でヴィクトリア女王が即位してますよ。
 1840年からはアヘン戦争です。
 産業革命から帝国主義への丁度狭間くらいでしょうか。
 スイスの田舎から都会へ、子供たちを労働者として売買するのは、当時本当にあったみたいです。
 そして、劣悪な労働環境の中で、冬を乗り越えられずに死んで行く子供は多かったみたいです。
 はぁ……。

 ……あれ? これ「面白いこと」?

 まぁ、何と言いますか、
 昔も今も素直じゃない朔にとってはツッコミ所も満載でしたが、
『ハイジ』ほどは軽く読み流すこともなく結構真面目に読んでました。
 ぶっ続けで約6時間くらい?
 翻訳されたセリフも、登場人物は圧倒的に男が多いから、それほど違和感なく読めました。
 やっぱりね、問題は女言葉なのさ。
 時代背景を反映させたジェンダーの表現というのも、なかなか難しいやねぇ。
 でも今回は、数少ない女性キャラも、ちゃんとキャラクター設定に妥当な感じで語尾や語彙が統制されていたので良かったです。

・《楽園》を書くにあたり、これまで朔はろくに資料というものを使っていなかったですが、
 書けば書くほど行き詰まるもので、もうしょうがないと観念し、初めてちゃんと資料にあたっています。
 ……というわけで。
 今朔は、宇宙関係の本を読んでます(笑)
 う~ふ~ふ~。
 中学時代から、どう頑張っても天体の運行を空間的に捉えることのできなかった朔が!ですよ?
 これを無謀と言わずして何と言いましょう?
 でも読んでいるとなかなか面白く、果たして本当に資料として役に立つのかはおいといて(オイ)、結構楽しく読んでいます。
 でもこれはどうも長丁場になりそうです。
 《楽園》の公開は春を予定していましたが、夏になる可能性……「大」です。

 目を背けたいこと
・引っ越しの準備
 そもそも、まだ勤務地が決まっていないのですが……
 でもそれが決まるのが、旅行に出かける前日なので……
 今から少しずつ、片付けていかないといけないんですよねぇ……
 めっちゃ気が重い。
 あ~あ、あ~あ……。
 旅行から帰って来たらすぐ3月だし、
 3月には研修が始まるんです。
 引っ越しは会社の都合でやってくれるみたいだし、
 やっぱり旅行から帰って来てから一旦実家に戻ろうと思うと、
 今から荷物まとめとかないと、ヤバそうなんですよねぇ。
 分かってはいるんですけど。
 せめてもっと早く勤務地と3月の予定を教えてくれたらいいのに……。
 たぶん朔は、サイアクの気分のまま旅行に出ると思います。
 はぁぁぁ……京都を離れたくない……(>_<)

・卒論の口頭試問
 朔は4日なのですが。
 ホンットに何の準備もしてませんねぇ。
 毎日本読んで、のろのろと引っ越しの準備して。
 卒業できなかったらどうしよう(笑)


ではでは。

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2007/1/9
2007.01.09 (Tue)
 昨日(正確には7日)華々しく完成した卒論第1稿。
 なんと今日(8日)大学に行ったらば、律儀に先生が来てはりまして、
 添削に出したところ……
 敢え無くボツとなりました!!
 キャーーーーーーッ!!|||(@_@;)||||
 いやんセンセ、そんなきっちり「誉めて貶す」を実行しはらへんでも!!(笑)
 はぁぁぁ……。
 でも一応、「これで心配はなくなった」というお言葉は押さえときました。
 つまり、このまま手直しをしなくても卒業は出来るということ(笑)
 勿論直しますけどね。
 今度こそ完璧にしてリベンジしてやるッ!!
 というわけで。
 かる~く400近い用例を、1から再分類中です。
 目がしょぼしょぼします。
 各項目ごとに数えて統計出すだけでも目が疲れる……。
 さらにそこから読み取れる傾向を探ってみたり……。
 ホンマ目ぇ疲れる~。
 最近起きてる間はずっとパソコンの前に座ってるよ。

 そういえば、ずっと座ってるばっかりで運動してないから、すごいことになってました。
 なんと、久しぶりにスカートをはいてみたらば。
 脚が激痩せしてました……。
 まぁご飯もあんまり食べてないしな……。
 膝とか太ももとか、自分でみてもぞっとするくらい痩せてますよ?
 これどうしましょう。
 ちょっと心配になってきました||(-_-;)|||
 膝、完全にお皿が浮き上がって見えるんです。ボコッと横がへっこんで。
 太ももも、あここに骨あるんだな、みたいな……。
 どうしよう、やばい。
 肉が落ちるのはまだしも、これ絶対筋肉も落ちてる……。
 今朔の肉体年齢、何歳になってるんだろう……。
 おかしいな、体力も気力も通常営業だと思ってたのに。
 足腰から弱っているようですよ。
 やっぱり食事と運動って大事なんですねぇ。
 あぁ……でもバランス考えてご飯作る暇も、運動する暇(元から暇があっても運動なんてしなかったが)もないよ……。
 とりあえず膝。
 この膝は朔にとっては不発弾にも等しい存在だから、
 どうにか潤滑に動いてくれるように動いてもらえるように改善しないと。

 ああ……(>_<) 正月太りなんて、朔には夢のまた夢だ。
 大体朔の体重は減って戻りはしても、増えないからな……。

 この身体で死ぬまで元気に生活出来るんだろうか。
 なんか30代後半とかで早々に車椅子生活になってそう……膝は生まれつき欠陥品だし。
 ああもう、この膝!
 とにかくこの膝のぎくしゃくだけでも、早々にどうにかせねば!(>_<)


ではでは。

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1月5日。夜中に。
2007.01.05 (Fri)
 ヒキコモリ5日目ですか……(笑)
 毎日正午に起き出して、
 食事、録画した深夜映画の観賞、卒論、食事、読書、就寝……
 の繰り返しです。
 深夜映画、本当に多いですよね。
 正月から今日までに、
 『マイ・ボス・マイ・ヒーロー』(韓国)
 『ファイナルファンタジー』(日米)
 『殺人の追憶』(韓国)
 『シャーロック・ホームズ バスカビル家の犬』(英国)
 を観ました。
 
『マイ~』は、日本のドラマ版に家族がハマッていて(夏に帰省した時、その熱狂ぶりに驚かされた。朔はそれまで観たことがなかった)、それ以来時間が合えば朔も観ていました。
 で、途中から見始めた所為かタイトルの意味が分からないまま終了したのですが、
 今回本国の映画を観てようやく理解しました。
 もともとは「君師父一体」という格言?からきているようです。
 で、それをマフィア?風にアレンジして「頭師父一体」となるそうで、
 意味は「(組の)頭目と師匠と親父は一体だ(=どれも同じモノだと思って敬え)」ってとこでしょうか。
 だからこその、 マイボス☆マイヒーローだったわけです。
 ようやく意味は分かったものの……はじけっぷりは日本版の方が楽しかったような。

 映画の最初で、頭が主人公に向って「自分の名前を漢字で書いてみろ」と言い、どうやらそれが出来なかったから主人公は高校からやり直すことになります。
 しかし…仮にも自分の名前を書けない人なんて本当にいるのか?と思わず疑ってしまいました。
 いくらハングル(ひらがなに相当)があるからって、いくらなんでも自分の名前くらい……
 韓国も教育大国という印象があったのですが、実は識字率が低かったりするのでしょうか……
 ええ~? でも自分の名前ですよ……?(-_-;) 

 国民性・文化背景の違いのせいか、どうも納得いかない部分が多かったり。
 ヒロインの女の子が、勉強する金欲しさに身体を売ろうとしているのですが、
「大学に行きたい、留学だってしたい」と言うわりには、勉強している気配がないのですよ……。
 成績も下がってきているようだし、だったら身体なんて売ってないでフツーに勉強すればいいじゃん。と言うか……。
 そもそも、お金がないならそんな有名私立に行かないで公立高に行けば?という感じ。
 成績優秀なら奨学金だって出て進学援助だってしてもらえるはずなのに、どうしてこの女は勉強せずにそんなことをしているのか、理解できませんでした。
「あたしのこと好きでしょ? 結婚してあげるからお金を貸して」とか言ってるし……。
 どういう高校生だよ……。
 
 日本版よりおもしろかったのは、英語の女教師さんでした☆
 河川敷で喧嘩を傍観してる時とか、最後の乱闘シーンとかで、
 いちいち「立ち回り……」とか教えられた専門用語(笑)を復唱している姿が笑えました。
「今のはいい角度で入ったわ」とか、最後の「ラスベガスではありえない」のパクリのセリフとか、名言がたくさんでした(笑)

『ファイナルファンタジー』は、あの有名なゲームかと思ったのですが、違いました(笑)
 しかも話の筋はアメリカの大好きな「地球外からの侵略者VS使命を帯びた少数派の男女(必ず恋愛が絡む)」の構図で、
 もう見る気も失せたのですがなんとなく垂れ流しに。
 ほんっと好きですよね、この構図。
 この国はきっと、仮想敵(国)がなければ民主主義は守れないと信じ込んでいるに違いない。
 もう最初の10分見ただけでラストの予想がつくというお粗末さ。
 この手の話、朔は好きではないのでした。オシマイ。

『殺人の追憶』は、CMを早送りして観るくらい集中して最後まで観ました。
 ていうか、正月から何てモノを放送してるんだ、京都テレビ!って感じでした(笑)
 これは何て言うか……問題作ってわけではないんですよね?
 でも実際にあった未解決事件を基にしてるって出てたし……こ~~わ~~~。
 最後の容疑者のところでは、第一容疑者があんな死に方をしてしまったし、
 酒を飲んで暴れる警察官にマジむかついたし、
 もうそろそろ時間的にもラストだし、最後どうなるのかハラハラしっぱなしでした。
 それにしても本当に何なんだ、あのザコ刑事!!(ひどい言い方)
 あいつさえいなかったら、第一容疑者も死なずに済んだし、第三容疑者の容疑もその場で晴れてたのに!!
 そもそも朔は暴力ふるう人が大嫌いなのです。
 あんなことになって責任取って辞職するのかと思ったら、別にそうでもないみたいだし。
 自分も脚を切断することになってたみたいですが、自業自得。
 それよりも第一容疑者の身内に心底謝りやがれ。何が警察だ、ただのチンピラめ。

『バスカビル家の犬』は……懐かしい。
 朔の小学校時代の愛読書は、ホームズのシリーズでした♪
 ホームズ、ステキです。大好き(*~_~*)
 たとえコカイン中毒だろうと(笑)
 もうホームズに関しては夢を見すぎているので何もいいません(笑)
 たとえ誰が演じても不満出るだろうし。
 だからワトソン君について。
 最初、ちょっと笑ってしまいました(笑)
 なんか、ちょび髭の伍長みたいじゃありません?(何年製作か忘れたけど、たぶん最新リメイク版)
 でも、ま、それもホームズとのツーカーぶりが観られたらそれで良いのです☆

 で、少し考えたのですが。
 朔の小学校では「読書記録」というものを書かせる指導がありまして、
 中~高学年にかけて、朔は1年間の読書量が300冊を超えるという本の虫でした。
 いちばん好きだったのが前述のとおりホームズシリーズ。
 あまりにもホームズが好きで、アルセーヌ・ルパンのシリーズには手を出さないという徹底ぶり(たしかシリーズ中にこのふたりの対決があり、結局ホームズが負けるのですよ、たしか)。
 他にもホームズ少年探偵団シリーズとか、B組探偵団シリーズとか、名探偵カッレくんのシリーズとか、エラリー・クイーン、エドガー・アラン・ポー、アガサ・クリスティー……と、もうそりゃとにかく推理小説ばっかり読んでた時期があったのです。
 そうでなければ、探偵小説に準じるような謎解きゴシックホラーとか(笑)
 
 それでですね、分かったような気がしたんですよ。
 どうして朔の書く話は少年が多いのか。
 ずっと、長野まゆみさんの影響かな?とぼんやり思っていたのですが、それ以前に原因があったようです。
 やっぱり、突き詰めて考えてみると、根幹にあるのはホームズとワトソンのような気が。
 そして少年探偵団。
 そこには女々しく騒ぐだけで足手まといになる女子もおらず(B組探偵団のガビーも、カッレくんに出てくる女の子も、すばらしい勇気と機転を見せる。ホームズが恋愛感情を抱いた?女性も、なかなか強かな人でしたよね)、信頼で結ばれた仲間たちが幾多の苦難を乗り越えて事件を解決する。
 なんてすばらしい☆
 そんな彼らが繰り広げる冒険に小学生の朔は釘付けだったわけです。
 特にホームズとワトソンの、間に誰も入り込めないほどの友情と信頼!
 ふたりの関係を現代に置き換えると、どうしていい年した大の大人が結婚もせずにルームシェアなんか……と思わずソチラを疑いたくなるような設定ですが(笑)、
 しかぁしそんなことは最早問題ではない!
 ホームズにはワトソン! ワトソンにはホームズなのですよ!
 そんな関係性が、憧れとして小学生の朔に刷り込まれてしまったわけです。
 だから朔の書く物語には、圧倒的に少年が多いのですね。
 
 久しぶりにホームズ作品に触れて、そんなことを思い出し&気付きました。


ではでは。

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日記
2006.09.30 (Sat)
こんばんわ。

 すいません。
 昨夜は上演を忘れていました……。
 自分でびっくりです(^-^;)

 というわけで、28日の朔は高島屋の鶴屋吉信で進物を購入し、
 建仁寺へご挨拶に行ってました。
 建仁寺は日本で最初の禅寺だそうですよ?
 そして開祖栄西さんは臨済宗だそうです。
 どうせすぐにまた忘れるだろうから、ここにちょこっと書いときます(笑)

 そして29日の朔は、
 大阪へ内定式に行ってきました。
 まぁ内定式は置いといて、大阪!と言えばbookstudio !!
 ああ、大好きです♪、そのクラシカルなカバーが☆
 というわけで、文庫本を2冊ご購入~(*^-^*)
 そして夕方からは、友達と念願の(笑)カッパ寿司へ☆
 廻る~廻る~回転すし~♪というわけで、一皿105円の回転すし屋さんです。
 なぜわざわざ三条のカッパ寿司まで行ったかと言うと、
 結構その店の前を友達との待ち合わせ場所にすることはあるのに、
 まだ一度も店に入ったことがなかったからです。
 我ながらすごい理由だ。
 今日こそ10皿!と思ったけど、結局お寿司は7皿しか食べられませんでした。
 内定式の時間帯の都合でお昼は食べてなかったんですけどね……。
 でも7皿! 朔的最高記録とはタイです。
 それに今日は他にもチョコレートケーキとか食べたし、頑張った方かも。

 食べた後、詰め込みすぎて気持ち悪くなり、
 そのまま東に移動して三条大橋を渡り、ブックオフに行きました(初めて)。
 そしたら……卒論関係の思わずうろたえてしまうような資料を見つけてしまい……
 かなり動揺して叫んでしまいました…(笑)
  私信。Yへ。
   あの本、タイトルは同じだけど朔の探してる本じゃなかったよ。
   帰って確認してみたら、朔の探してる本は1701年の雑俳の本でした。
   買わなくて良かった~。
 文庫本のコーナーで、300巻以上続いているシリーズ物を見つけ、
「すごいね~。でもここにあるってことは、最初っから読んでる読者がいるってことだよね」
 と話していたら、隣りに立っていた(見知らぬ)おじさんが
「僕読んでるよ」
 と言ってきたのがすごいおかしかったです(笑)
 たぶん30代半ばくらい?のおじさんで、なんでも中学生の頃から読んでいるそうな。
 ほわ~(~◇~)という感じです。
 朔がそんなに長くシリーズ物集めたのって…何だろう。
 やっぱ創竜伝(今んとこ文庫は12,3冊のハズ)かなぁ。
 長野作品はほぼ全部揃ってるけど、シリーズってわけじゃないし。
 すごいなぁ、300冊。
 年に3冊出そうと思っても100年かかる計算に?
 んなアホな。
 じゃあ頑張って5冊出したとして……60年??
 仮に20歳から書き始めたとしても、今はもう80過ぎ??
 書いてる途中で作者さんが死んじゃったら……どうするんだろう……。 
 ここまで長く続いたんなら、読者も最後まで絶対読みたいだろうし。
 うわー…手を出すべきか出さざるべきか、悩むとこですね……。


ではでは。

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8月12日。博物館実習終了
2006.08.13 (Sun)
 ふぅ~。
 今日で6日間に渡る博物館実習がようやく終わりました。

 朔の実習先は帰省先の美術館。
 実習内容は、子供たちと触れ合うワークショップの補助実習と、
 各班ごとのテーマに沿ったミニ美術館づくり、
 講義、
 他の美術館への見学実習
 といった具合です。

 一番楽しかったのは、やっぱり子供たちとのワークショップ。
 そして一番感動したのは、他の館への見学実習でした。

 いや、後者はちょっとズレてるかな。
 他の館というのは、今日行ってきた、隣の(もしかしたらそのまた隣の)市にある猪熊弦一郎現代美術館のことです。
 朔は猪熊さん自体にはまったくこれっぽっちも興味がないのですが(そもそも現代美術そのものにあまり興味がない。でも三越の包装紙をデザインした有名な人らしい)、だったらなぜ感動してのかといえば、
 今そこで特別展をしている彫刻家の須田悦弘さんの、公開製作を間近で見ることができたからです。

 朔はつい昨日まで、須田さんを知りませんでした。
 知ったきっかけは、朔の実習先の美術館に須田さんが来館されたからです。
 常設展に須田さんの作品を展示するので、それをどこにどうやって展示するか、相談にいらしたのです。
 新たに展示に加わったのは、チューリップ(原寸大。木彫作品)が2本。
 それをどこに展示したかと言えば……ナラヨシトモ(漢字が…)さんなど、現代の絵画を展示した部屋の入り口――の上隅2ヶ所。
 そこに、片方は半ば逆立ちするように、もう片方はなぜが花の部分から壁に突き刺さるように。
 そんな風に展示してはりました。

 見た瞬間、「なぜ??」と(笑)

 不思議に思ってご本人にその意図を訊いてみたら、返ってきた答えは「なんとなく」。

 すごい。と思いました。

 普段はクーラーのない部屋で、テレビを見ながら時にタバコを呑みながら製作活動をしてはるそうです。

 猪熊の方の特別展では、なんと展示作品は雑草の木彫です。
 展示室の広い空間を見渡せば、そこは一見して何もない空間です。
 ですがよくよく目を凝らせば、床と壁の間に、わずかに緑色のモノが。
 近づいてよく見れば、なんとこんなところに雑草が生えているではないか!
 いやいや、これは木でできたニセモノだ!! なんてよく出来ているんだろう。
 という寸法です。
 びっくりです。

 そしてその部屋の真中で、お客さんに囲まれながら須田さんが作品をつくってはりました。

 まず驚いたのが、やっぱりその空間の使い方。
 主役であるはずの展示作品たちが、硝子ケースに収められるでもなく、スポットライトを浴びるでもなく、キャプションによって仰々しく解説されることもなく、これ見よがしに視線の高さに揃えられるわけでもなく、
 ひっそりとまばらに、隅っこに「生えて」いるのです。

 なんて遊び心に溢れているんだろう
 と思うと同時に、そういった自由な空間の使い方を思いつく柔軟な発想に驚かされました。
 美術館とか博物館って、お堅いありきたりな、というイメージがあったので。

 須田さんの作品はびっくりするくらいホンモノに近く、今も手元にそのパンフがあるのですが、まるで本物の雑草を写真に撮って掲載しているのを見ているようです。
 こういうお話をお聞きしました。
 かつて須田さんが作った作品の中に、硝子ケースのなかに木彫の枯葉を一枚入れたものがあったそうです。
 そうすると、その作品を見た人が何を思ったか(落ち葉入れだとでも思ったのでしょうか)そのケースの中にどんどん拾ってきた落ち葉を入れ始め、展覧会終了後、「あの作品見たよ。『イチョウ』」という感想をもらったそうです。
 須田さんいわく、「『イチョウ』なんて作品はつくってないんだけどなぁ」と(笑)
 たぶん、お客さんが入れた葉っぱはイチョウの葉が多かったんでしょうね。

 今回の展示でも、こんなハプニングがありました。
 じっと須田さんの手元を見ていた朔の耳に聞こえてきたのは、こんな声。
「さっきおばさんが作品触ってました…!」
 公開製作をする須田さんの近くでアシスタントというか警備というかビデオ撮影というか、そういうのをしていた人が持ち場を離れて、そして戻って来た時には手に一枚の雑草の葉が。
 もしかして、触った拍子にボンドでくっつけていた葉っぱが取れたのでは……?
 とその場にいた全員が内心で冷や汗を流したと思います。
 しかしその葉っぱ、実は本物の雑草だったのです。
 実物と須田さんの作品を見比べるために、誰かが持ち込んだようです。
 イチョウといい、今回の雑草といい、須田さんの展覧会は何かと「増える」ことがあるらしいです(笑)

 でも、逆に減ってしまうこともあるのだとか。
 東京で開いた展覧会では、掃除のおばちゃんが作品を誤って掃除機で吸い込んでしまったり(なんせ床に展示しているので)、箒で掃いて壊してしまったり。

 そんな話を聞かせてくれながら、須田さんはせっせと朴の木を削ってはりました。

「どうして雑草なのか?」という問いには、「それが一番バカバカしいから」と答える須田さん。

 展示の仕方といい、なんてかっこいい……。

 須田さんとの出会いは、朔の中の何かを変えてくれそうな気がしました。

 というわけで、実習の一番の収穫はやっぱり須田さんとの出会いでしょうか。
 何だか実習の趣旨とは大きくズレてるような気もしますが、そこはそれ。ということで(笑)

 子供たちとのワークショップ(年長~小3)は、もうひたすら可愛かったです!!
 朔の名を呼び捨てで(笑)呼んでは「見て見て~!」と言って自分の作品を見せてくれたり、自分の持っているぬいぐるみを教えてくれたり、ペットのお話を聞かせてくれたり……
 もうもう、可愛くって可愛くって、時間があっという間に過ぎました。
 やっぱり子供って可愛い。
 それに、子供にだってちゃんと個性があって、自己主張があるんだってことも再確認しました。
 本当に恐るべき未知のパワーを秘めてしますね、彼らは。
 朔と遊んだ数時間の体験を、この先あの子たちがいつまで覚えてくれているのかそれは分かりませんが、いい思い出として残っていてくれたらなぁと思います。
 愛しい。

ではでは。

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