ここは朔が支配人を務める劇場《閑古鳥の啼く朝に》のサロンです。上映案内から、日々のつれづれ事まで。 のんびりまったり更新中。renewal:07/05/02
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ふぅ~。
今日で6日間に渡る博物館実習がようやく終わりました。
朔の実習先は帰省先の美術館。
実習内容は、子供たちと触れ合うワークショップの補助実習と、
各班ごとのテーマに沿ったミニ美術館づくり、
講義、
他の美術館への見学実習
といった具合です。
一番楽しかったのは、やっぱり子供たちとのワークショップ。
そして一番感動したのは、他の館への見学実習でした。
いや、後者はちょっとズレてるかな。
他の館というのは、今日行ってきた、隣の(もしかしたらそのまた隣の)市にある猪熊弦一郎現代美術館のことです。
朔は猪熊さん自体にはまったくこれっぽっちも興味がないのですが(そもそも現代美術そのものにあまり興味がない。でも三越の包装紙をデザインした有名な人らしい)、だったらなぜ感動してのかといえば、
今そこで特別展をしている彫刻家の須田悦弘さんの、公開製作を間近で見ることができたからです。
朔はつい昨日まで、須田さんを知りませんでした。
知ったきっかけは、朔の実習先の美術館に須田さんが来館されたからです。
常設展に須田さんの作品を展示するので、それをどこにどうやって展示するか、相談にいらしたのです。
新たに展示に加わったのは、チューリップ(原寸大。木彫作品)が2本。
それをどこに展示したかと言えば……ナラヨシトモ(漢字が…)さんなど、現代の絵画を展示した部屋の入り口――の上隅2ヶ所。
そこに、片方は半ば逆立ちするように、もう片方はなぜが花の部分から壁に突き刺さるように。
そんな風に展示してはりました。
見た瞬間、「なぜ??」と(笑)
不思議に思ってご本人にその意図を訊いてみたら、返ってきた答えは「なんとなく」。
すごい。と思いました。
普段はクーラーのない部屋で、テレビを見ながら時にタバコを呑みながら製作活動をしてはるそうです。
猪熊の方の特別展では、なんと展示作品は雑草の木彫です。
展示室の広い空間を見渡せば、そこは一見して何もない空間です。
ですがよくよく目を凝らせば、床と壁の間に、わずかに緑色のモノが。
近づいてよく見れば、なんとこんなところに雑草が生えているではないか!
いやいや、これは木でできたニセモノだ!! なんてよく出来ているんだろう。
という寸法です。
びっくりです。
そしてその部屋の真中で、お客さんに囲まれながら須田さんが作品をつくってはりました。
まず驚いたのが、やっぱりその空間の使い方。
主役であるはずの展示作品たちが、硝子ケースに収められるでもなく、スポットライトを浴びるでもなく、キャプションによって仰々しく解説されることもなく、これ見よがしに視線の高さに揃えられるわけでもなく、
ひっそりとまばらに、隅っこに「生えて」いるのです。
なんて遊び心に溢れているんだろう
と思うと同時に、そういった自由な空間の使い方を思いつく柔軟な発想に驚かされました。
美術館とか博物館って、お堅いありきたりな、というイメージがあったので。
須田さんの作品はびっくりするくらいホンモノに近く、今も手元にそのパンフがあるのですが、まるで本物の雑草を写真に撮って掲載しているのを見ているようです。
こういうお話をお聞きしました。
かつて須田さんが作った作品の中に、硝子ケースのなかに木彫の枯葉を一枚入れたものがあったそうです。
そうすると、その作品を見た人が何を思ったか(落ち葉入れだとでも思ったのでしょうか)そのケースの中にどんどん拾ってきた落ち葉を入れ始め、展覧会終了後、「あの作品見たよ。『イチョウ』」という感想をもらったそうです。
須田さんいわく、「『イチョウ』なんて作品はつくってないんだけどなぁ」と(笑)
たぶん、お客さんが入れた葉っぱはイチョウの葉が多かったんでしょうね。
今回の展示でも、こんなハプニングがありました。
じっと須田さんの手元を見ていた朔の耳に聞こえてきたのは、こんな声。
「さっきおばさんが作品触ってました…!」
公開製作をする須田さんの近くでアシスタントというか警備というかビデオ撮影というか、そういうのをしていた人が持ち場を離れて、そして戻って来た時には手に一枚の雑草の葉が。
もしかして、触った拍子にボンドでくっつけていた葉っぱが取れたのでは……?
とその場にいた全員が内心で冷や汗を流したと思います。
しかしその葉っぱ、実は本物の雑草だったのです。
実物と須田さんの作品を見比べるために、誰かが持ち込んだようです。
イチョウといい、今回の雑草といい、須田さんの展覧会は何かと「増える」ことがあるらしいです(笑)
でも、逆に減ってしまうこともあるのだとか。
東京で開いた展覧会では、掃除のおばちゃんが作品を誤って掃除機で吸い込んでしまったり(なんせ床に展示しているので)、箒で掃いて壊してしまったり。
そんな話を聞かせてくれながら、須田さんはせっせと朴の木を削ってはりました。
「どうして雑草なのか?」という問いには、「それが一番バカバカしいから」と答える須田さん。
展示の仕方といい、なんてかっこいい……。
須田さんとの出会いは、朔の中の何かを変えてくれそうな気がしました。
というわけで、実習の一番の収穫はやっぱり須田さんとの出会いでしょうか。
何だか実習の趣旨とは大きくズレてるような気もしますが、そこはそれ。ということで(笑)
子供たちとのワークショップ(年長~小3)は、もうひたすら可愛かったです!!
朔の名を呼び捨てで(笑)呼んでは「見て見て~!」と言って自分の作品を見せてくれたり、自分の持っているぬいぐるみを教えてくれたり、ペットのお話を聞かせてくれたり……
もうもう、可愛くって可愛くって、時間があっという間に過ぎました。
やっぱり子供って可愛い。
それに、子供にだってちゃんと個性があって、自己主張があるんだってことも再確認しました。
本当に恐るべき未知のパワーを秘めてしますね、彼らは。
朔と遊んだ数時間の体験を、この先あの子たちがいつまで覚えてくれているのかそれは分かりませんが、いい思い出として残っていてくれたらなぁと思います。
愛しい。
ではでは。
今日で6日間に渡る博物館実習がようやく終わりました。
朔の実習先は帰省先の美術館。
実習内容は、子供たちと触れ合うワークショップの補助実習と、
各班ごとのテーマに沿ったミニ美術館づくり、
講義、
他の美術館への見学実習
といった具合です。
一番楽しかったのは、やっぱり子供たちとのワークショップ。
そして一番感動したのは、他の館への見学実習でした。
いや、後者はちょっとズレてるかな。
他の館というのは、今日行ってきた、隣の(もしかしたらそのまた隣の)市にある猪熊弦一郎現代美術館のことです。
朔は猪熊さん自体にはまったくこれっぽっちも興味がないのですが(そもそも現代美術そのものにあまり興味がない。でも三越の包装紙をデザインした有名な人らしい)、だったらなぜ感動してのかといえば、
今そこで特別展をしている彫刻家の須田悦弘さんの、公開製作を間近で見ることができたからです。
朔はつい昨日まで、須田さんを知りませんでした。
知ったきっかけは、朔の実習先の美術館に須田さんが来館されたからです。
常設展に須田さんの作品を展示するので、それをどこにどうやって展示するか、相談にいらしたのです。
新たに展示に加わったのは、チューリップ(原寸大。木彫作品)が2本。
それをどこに展示したかと言えば……ナラヨシトモ(漢字が…)さんなど、現代の絵画を展示した部屋の入り口――の上隅2ヶ所。
そこに、片方は半ば逆立ちするように、もう片方はなぜが花の部分から壁に突き刺さるように。
そんな風に展示してはりました。
見た瞬間、「なぜ??」と(笑)
不思議に思ってご本人にその意図を訊いてみたら、返ってきた答えは「なんとなく」。
すごい。と思いました。
普段はクーラーのない部屋で、テレビを見ながら時にタバコを呑みながら製作活動をしてはるそうです。
猪熊の方の特別展では、なんと展示作品は雑草の木彫です。
展示室の広い空間を見渡せば、そこは一見して何もない空間です。
ですがよくよく目を凝らせば、床と壁の間に、わずかに緑色のモノが。
近づいてよく見れば、なんとこんなところに雑草が生えているではないか!
いやいや、これは木でできたニセモノだ!! なんてよく出来ているんだろう。
という寸法です。
びっくりです。
そしてその部屋の真中で、お客さんに囲まれながら須田さんが作品をつくってはりました。
まず驚いたのが、やっぱりその空間の使い方。
主役であるはずの展示作品たちが、硝子ケースに収められるでもなく、スポットライトを浴びるでもなく、キャプションによって仰々しく解説されることもなく、これ見よがしに視線の高さに揃えられるわけでもなく、
ひっそりとまばらに、隅っこに「生えて」いるのです。
なんて遊び心に溢れているんだろう
と思うと同時に、そういった自由な空間の使い方を思いつく柔軟な発想に驚かされました。
美術館とか博物館って、お堅いありきたりな、というイメージがあったので。
須田さんの作品はびっくりするくらいホンモノに近く、今も手元にそのパンフがあるのですが、まるで本物の雑草を写真に撮って掲載しているのを見ているようです。
こういうお話をお聞きしました。
かつて須田さんが作った作品の中に、硝子ケースのなかに木彫の枯葉を一枚入れたものがあったそうです。
そうすると、その作品を見た人が何を思ったか(落ち葉入れだとでも思ったのでしょうか)そのケースの中にどんどん拾ってきた落ち葉を入れ始め、展覧会終了後、「あの作品見たよ。『イチョウ』」という感想をもらったそうです。
須田さんいわく、「『イチョウ』なんて作品はつくってないんだけどなぁ」と(笑)
たぶん、お客さんが入れた葉っぱはイチョウの葉が多かったんでしょうね。
今回の展示でも、こんなハプニングがありました。
じっと須田さんの手元を見ていた朔の耳に聞こえてきたのは、こんな声。
「さっきおばさんが作品触ってました…!」
公開製作をする須田さんの近くでアシスタントというか警備というかビデオ撮影というか、そういうのをしていた人が持ち場を離れて、そして戻って来た時には手に一枚の雑草の葉が。
もしかして、触った拍子にボンドでくっつけていた葉っぱが取れたのでは……?
とその場にいた全員が内心で冷や汗を流したと思います。
しかしその葉っぱ、実は本物の雑草だったのです。
実物と須田さんの作品を見比べるために、誰かが持ち込んだようです。
イチョウといい、今回の雑草といい、須田さんの展覧会は何かと「増える」ことがあるらしいです(笑)
でも、逆に減ってしまうこともあるのだとか。
東京で開いた展覧会では、掃除のおばちゃんが作品を誤って掃除機で吸い込んでしまったり(なんせ床に展示しているので)、箒で掃いて壊してしまったり。
そんな話を聞かせてくれながら、須田さんはせっせと朴の木を削ってはりました。
「どうして雑草なのか?」という問いには、「それが一番バカバカしいから」と答える須田さん。
展示の仕方といい、なんてかっこいい……。
須田さんとの出会いは、朔の中の何かを変えてくれそうな気がしました。
というわけで、実習の一番の収穫はやっぱり須田さんとの出会いでしょうか。
何だか実習の趣旨とは大きくズレてるような気もしますが、そこはそれ。ということで(笑)
子供たちとのワークショップ(年長~小3)は、もうひたすら可愛かったです!!
朔の名を呼び捨てで(笑)呼んでは「見て見て~!」と言って自分の作品を見せてくれたり、自分の持っているぬいぐるみを教えてくれたり、ペットのお話を聞かせてくれたり……
もうもう、可愛くって可愛くって、時間があっという間に過ぎました。
やっぱり子供って可愛い。
それに、子供にだってちゃんと個性があって、自己主張があるんだってことも再確認しました。
本当に恐るべき未知のパワーを秘めてしますね、彼らは。
朔と遊んだ数時間の体験を、この先あの子たちがいつまで覚えてくれているのかそれは分かりませんが、いい思い出として残っていてくれたらなぁと思います。
愛しい。
ではでは。
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